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—— 「鯉の滝昇り(滝登り)」は、立身出世の象徴として古くから親しまれてきた吉祥図です。
端午の節句に掲げられる絵のぼりにも数多く描かれ、成功や飛躍への願いを託す人々の心を映してきました。
その由来は古代中国にさかのぼります。
黄河上流の激しい急流に挑み、登りきった鯉だけが「竜門」をくぐって天に昇り、やがて龍になる──という「登竜門(とうりゅうもん)」の故事は、努力が報われるという希望の象徴として、長く語り継がれています。
いわき絵のぼり吉田では、この「滝を登る鯉が、さらに天へと昇る」という意志を明確に込めて、作品名にあえて「滝登り」ではなく「鯉の滝昇り」と表記しています。
それは単なる出世祈願ではなく、「限界を越えて、己を超えていく」願いのかたちなのです。
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—— 現在ではすっかりおなじみの「こいのぼり」ですが、その源流はじつは江戸時代初期の節句用の絵のぼりにあります。
当時から男児の成長と立身出世を願う図柄として、「鯉の滝昇り(滝登り)」が幟旗に多く描かれていました。
やがて江戸中期、庶民のあいだでこの図柄にヒントを得た吹き流し型の鯉が考案され、絵のぼりのそばに飾られるようになります。
これが、現代の「こいのぼり」のはじまりです。
このことから、「こいのぼり」は本来、旗状の幟の意味をもつ「鯉幟(こいのぼり)」と漢字で書かれます。
その文字通り、鯉が描かれたのぼり旗=絵のぼりにそのルーツがあるのです。
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—— 「鯉の滝昇り(滝登り)」は、いわき絵のぼりをはじめとする節句画の中でも最も古く、代表的な図柄のひとつです。
その力強く美しい構図は、節句の祝いにふさわしい飛躍・成功・突破の祈りを込めた絵として、今なお多くのご家庭に選ばれています。
男児の成長を願う節句飾りとしてだけでなく、夢をもって努力を続けるすべての人に向けた励ましの象徴として、この図柄が持つ意味合いは時代を越えて広がりを見せています。
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いわき絵のぼり吉田 絵師辰昇
・鯉のぼりが武者のぼりから変化した歴史(ショート動画) ・「鯉の滝のぼり図」の紹介動画 |
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工房をご見学いただいた方の投稿より(@irodori_koinbr 様):
「絵幟の歴史を堪能出来る空間でした。鍾馗幟旗は生で見ると迫力がヤバかったです。生で見なきゃもったいないです!」