1|伝統の図像を、現代の日常へ|BEAMS JAPAN × いわき絵のぼり吉田
—— 福島県とBEAMS JAPANが共同で行う「ふくしまものまっぷ」プロジェクトの第15弾として、いわき絵のぼり吉田とのコラボレーションが実現しました。
2019年3月のコラボを期間限定で担当。
福島に受け継がれてきた端午の節句の絵のぼりを紹介するとともに、その図像を現代のプロダクトへ展開する企画です。
絵師・辰昇が、このコラボレーションのために「鯉の滝のぼり」「鍾馗」「昇り龍」の原画3種を描き下ろしました。
それらの原画をもとに、BEAMS JAPANがTシャツとハンカチを制作。
節句の祝いの場を彩ってきた図像が、衣服や日用品という新たな形で、現代の暮らしへ届く仕事となりました。
※本企画は販売が完了しています。
・原画:いわき絵のぼり吉田 絵師・辰昇
・企画販売:BEAMS JAPAN(東京・新宿)
2|3種類の図柄|鯉の滝のぼり・鍾馗・昇り龍
3|三つの図柄のために描き下ろした原画
4|BEAMSコラボで伝えた「いわき絵のぼり」
武家の旗文化から、端午の節句の絵のぼりへ
—— 端午の節句には、武者絵や縁起のよい図柄を描いた幟旗、通称「絵のぼり」が掲げられてきました。
その背景には、武家が家や武将を示すために掲げた旗指物など、日本の旗文化があります。
戦乱の時代が終わると、武家の旗が持っていた象徴性は、端午の節句に子どもの成長を願う幟へと受け継がれていきました。
武勇や吉祥を表す図像を高く掲げ、その家の祝いの場を象徴する。
絵のぼりは、そうした祈りと旗文化が結びついて育まれた節句の絵画です。
絵師の筆と、絵のぼり・鯉のぼり
—— かつての人々は、節句に掲げる幟に祈りや願いを託し、力強い図像によって子どもの健やかな成長や将来の幸福を願いました。
江戸時代には各地で絵のぼりが制作され、名のある絵師たちも幟絵を手がけています。
木綿などの大きな布へ直接描くため、線の勢い、筆遣い、構図には絵師それぞれの個性が強く表れます。
絵のぼりは、浮世絵や絵馬などとともに、江戸の絵師文化を現在へ伝える一つの形でもあります。
また江戸時代には、鯉の滝登りをはじめとする出世を願う図柄が広まり、やがて今日の鯉のぼりにつながる文化も育っていきました。
福島・いわきに受け継がれた絵のぼり文化
——「いわき絵のぼり」は、福島県指定伝統的工芸品です。
江戸時代、磐城平藩主・内藤義概が節句の幟を奨励したと伝えられ、いわき地方では絵のぼりを掲げる文化が長く受け継がれてきました。
布に直接、絵師が筆を入れて描くという制作のあり方も現在まで残り、江戸の絵師文化を地方に伝える一つの例となっています。
今回のBEAMS JAPANとのコラボレーションでは、その伝統をそのまま再現するのではなく、絵のぼりが培ってきた図像と手描きの表現を、Tシャツやハンカチという現代の日常へ移しました。
伝統を保存するだけではなく、現在の暮らしの中で新たな役割を持たせ、次へつなげていく。
この仕事もまた、いわき絵のぼりを現代へひらく一つの試みとなりました。
制作|辰昇(絵のぼり絵師)
福島県いわき市
5|「ふくしまものまっぷ」50回記念|2019年のコラボを振り返って
—— 2025年3月、BEAMS JAPANと福島県による「ふくしまものまっぷ」が50回を迎え、記念特設サイトが公開されました。
第15弾として参加した本コラボレーションについて、私も当時を振り返るコメントを寄せています。あわせてご覧ください。
▼ いわき絵のぼり吉田 × BEAMS JAPAN
https://fukushima-monomap.jp/back_number/vol15/
▼ 50回記念特設サイト
https://fukushima-monomap.jp
▼ BEAMS JAPAN(ビームス ジャパン)
〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目32−6 5F B1F
https://www.beams.co.jp/beams_japan/
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伝統の図像を、現代の場へ。
絵のぼりで培った手描きの表現をもとに、空間・衣装・記念作品など、それぞれの場にふさわしい絵画制作をご相談いただけます。