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手描き武者のぼり|いわき絵のぼり吉田 絵師・辰昇

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江戸期の絵のぼり収集記
——手描き旗が掲げられていた時代——

辰昇コレクション~江戸時代の五月幟(節句幟、武者絵のぼり)
—— 絵師 辰昇(しんしょう)は、江戸〜明治期の肉筆絵のぼりを一次資料として収集・研究しています。

そこに刻まれた、暮らしに根ざした造形の力に学ぶこと。
それが、この収集の目的です。

はじめに

江戸日本橋十軒店(幕末を描いた銅版画)いわき絵のぼり吉田蔵
・幕末の節句のころの日本橋(銅版画)
いわき絵のぼり吉田蔵

—— 空へ掲げられていた「絵のぼり」
江戸期の狩野派による絵のぼり「加藤清正図幟」|いわき絵のぼり吉田蔵
・江戸後期 狩野派の幟|いわき絵のぼり吉田蔵
江戸期の節句幟(絵のぼり)に残された筆致は、
当時の祈りや願いを、今も静かに伝えています。

武者や神々の姿は、暮らしの中で実際に空へ掲げられていた造形でした。
江戸期の絵のぼり「高砂図幟」|いわき絵のぼり吉田蔵
・江戸後期の高砂図幟|いわき絵のぼり吉田蔵
町や村では、節目に旗を掲げて願いを託し、家の誇りを示すという営みがありました。

絵のぼりは、暮らしの中で祈りをかたちにした旗であり、
人々の精神や美意識が、空へと可視化された造形でもありました。
江戸期の絵のぼり「鶴亀図幟」|いわき絵のぼり吉田蔵
・江戸後期 鶴亀図幟|いわき絵のぼり吉田蔵

収集の意義──文化の地層を掘り起こす

—— 江戸時代には、北斎・国芳といった著名な絵師が、
端午の節句に依頼を受けて絵のぼりを描いた記録が残されています。

一方で、各地の空を彩ったのは、
名を残さぬ町絵師たちの手による作品でもありました。

私は十数年にわたり、
それらの構図(骨線)や筆線、発想に着目し、
一点ずつ収集と研究を重ねてきました。

保存状態の良否だけでなく、
画面から当時の暮らしや社会の気配が立ち上がるかどうかを重視しています。

ここに並ぶ作品は、
生活の現場に残された文化の痕跡であり、
今なお読み取ることのできる「地層」でもあります。

見どころの一例

《岩戸神楽乃起顕図幟》
幕末/須藤晏斎

天照大神の“岩戸隠れ”をテーマとした幕末の絵のぼり|いわき絵のぼり吉田蔵
天照大神の「岩戸隠れ」を主題とする幕末の一作。
民間信仰・家庭祭礼・町絵師文化が交差する画面です。

本作は、民間信仰・家庭祭礼・町絵師文化の集約
浮世絵や神楽、歌舞伎とも響き合う構図と演劇性をもち、
芝居の一場面のように物語が立ち上がります。

江戸期の絵のぼり|資料アーカイブ

—— 古作絵のぼりの資料を掲載しています。
各作品ページより詳細をご覧いただけます。

※本資料は販売を目的としたものではありません。


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須藤晏斎(幕末の町絵師)|岩戸神楽乃起顕図幟

須藤晏斎|岩戸神楽乃起顕図幟

江戸後期の祝祭芸能としての神話図像。名人・須藤晏斎の筆。

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歌川芳輝|鍾馗図幟

歌川芳輝|鍾馗図幟

江戸の浮世絵師・歌川国芳の弟子「芳輝」による手描きの絵のぼり。

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無銘|三国志図幟

無銘|三国志図幟

江戸後期に流行した三国志を描いた熟練絵師による絵のぼり。

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堤派絵師|大江山図座敷幟

堤派|大江山図座敷幟

三代目堤等琳という町絵師を中心とした「堤派」。江戸~明治の作。

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雪洲|髪結新三図幟

雪洲|髪結新三図幟

明治初期の歌舞伎芝居と、節句文化が交差する古作絵のぼり。

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四代目鳥居清忠|鍾馗図座敷幟

四代目鳥居清忠|鍾馗図座敷幟

歌舞伎座の看板絵を代々手がける鳥居派の七代目当主。明治~昭和頃。

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江戸期の絵のぼり収集記

無銘|神功皇后図幟

江戸時代に裕福な家で飾られた、贅を尽くした染色画。

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無銘|日本武尊図座敷幟

無銘|日本武尊図座敷幟

明治時代ならではの、日本神話題材の3本組室内用絵のぼり。

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無銘|秀吉図幟

無銘|秀吉図幟

千成瓢箪が示す武将像と、明治~大正期の分業が生んだ筆致のコントラスト。

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無銘|熊谷直実図幟

無銘|熊谷直実図幟

江戸時代の筒描きに残る、庶民の素朴な武者絵の躍動。

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無銘|鍾馗図幟

無銘|鍾馗図幟

明治〜大正の「いわき地方制作」にみる、祈りと近代化。

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無銘|鍾馗図幟(四半旗)セーマンドーマン刺繍

無銘|鍾馗図幟 セーマンドーマン

幅広の「四半旗」鍾馗と、魔除けの刺繍。明治、大正時代。

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歌川芳虎|木版画の五月節句幟

歌川芳虎|木版画の五月節句幟

浮世絵師による、江戸時代のペーパークラフト絵のぼり。

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無銘|三番叟図幟

無銘|三番叟図幟

三番叟を描いた江戸期の絵のぼり。メトロポリタン美術館の類似品と比較。

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宗興|桃太郎図幟

宗興|桃太郎図幟

花押のある、武家の気風ただよう大正時代の桃太郎図絵のぼり。

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無銘|日本武尊図幟(いわき)

無銘|日本武尊図幟(いわき)

明治大正期のいわき地方に息づく、神話意匠と節句の祈り。近藤辰治の作か?

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無銘|素朴な鍾馗図幟

無銘|素朴な鍾馗図幟

素朴だが見飽きない魅力がある、江戸期の神社で用いられた絵のぼり。

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無銘|寺子屋図まねき

無銘|寺子屋図まねき

絵のぼりの付属品として飾られた小旗「まねき」の吉祥図像。江戸~明治。

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狩野玉円(永信)|朱鍾馗図 座敷幟

狩野玉円(永信)|朱鍾馗図 座敷幟

御徒士町狩野家の表絵師・狩野玉円 永信が描いた室内用の絵のぼり。江戸後期。

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見方のヒント

・鍾馗図は魔除信仰と結びつきます。
・武者図は家意識や身分意識を背景に描かれました。
・神話図は再生観や祝祭性と接続しています。
・年代ごとの構図や筆致の差異にも注目できます。

関連リンク


おわりに

江戸期の絵のぼりは、
生活の中で機能する絵画でした。

私はその技と思想を受け継ぎ、
現代へと還す制作を続けています。

文・辰昇|絵のぼり絵師
福島県いわき市

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初節句を彩る「いわき絵のぼり」紹介動画

これまでにお客様から寄せられた貴重なお写真とともに、初節句の勇壮な雰囲気をご紹介しています。

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いわきFC応援幕|鍾馗図原画の制作

いわきFCの巨大な応援幕の原画として、「端午の節句の魔除けの神」鍾馗様を描かせていただきました。

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全国31人の職人のひとりとして掲載いただきました。

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以前納めさせていただいた「スサノオ様」と一対となる、主祭神「クシナダヒメ様」を描かせていただきました。

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松重豊さん出演「福島豊」Youtubeシリーズにて、
絵のぼり工房として紹介されています。
工房訪問回および絵のぼりのお披露目回です。

人の集まるハレの場を象徴する、ユーモラスな「旗印」として。

松重豊さんが工房へ(第7話)

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絵のぼりお披露目(第8話)

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