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手描き武者のぼり|いわき絵のぼり吉田 絵師・辰昇

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江戸期の絵のぼり収集記
——手描きの風が吹いていた時代へ——

辰昇コレクション~江戸時代の五月幟(節句幟、武者絵のぼり)
絵師 辰昇(しんしょう)は、江戸〜明治期の肉筆絵のぼりを一次資料として収集・研究しています。

構図・筆線・発想を評価軸とし、生活に根ざした造形の魅力を検証しています。

各作品は個別ページにて、来歴・図様・注記を詳しく紹介しています。

——読了目安:3〜5分。

はじめに

江戸日本橋十軒店(幕末を描いた銅版画)いわき絵のぼり吉田蔵
・幕末の節句のころの日本橋(銅版画)いわき絵のぼり吉田蔵
—— 「これが空に翻っていたのか」
江戸期の狩野派による絵のぼり「加藤清正図幟」|いわき絵のぼり吉田蔵
・江戸後期 狩野派の幟|いわき絵のぼり吉田蔵
江戸期の古い節句幟(絵のぼり)に残された鮮やかな筆致と、武者や神々の姿に初めて向き合ったときの驚きは、今も鮮明に記憶しています。
江戸期の絵のぼり「高砂図幟」|いわき絵のぼり吉田蔵
・江戸後期の高砂図幟|いわき絵のぼり吉田蔵
町や村では、節目に旗を掲げて願いを託し、家の誇りを示すという営みがありました。

絵のぼりは、暮らしの中で祈りをかたちにした旗であり、人々の精神と美意識が空に翻る造形でもありました。
江戸期の絵のぼり「鶴亀図幟」|いわき絵のぼり吉田蔵
・江戸後期 鶴亀図幟|いわき絵のぼり吉田蔵

収集の意義──文化の地層を掘り起こす

—— 江戸時代には、北斎・国芳といった著名な絵師が、端午の節句に依頼を受けて絵のぼりを描いた記録が残されています。
一方で、各地の空を彩ったのは、名を残さぬ町絵師たちの作品でもありました。

私は十数年にわたり、それらの構図(骨線)・筆線・発想に着目し、一点ずつ収集・研究を重ねてきました。
保存状態の良し悪しだけでなく、画面から当時の感情や社会の息づかいが立ち上がるかどうかを重視しています。

ここに並ぶ作品は、生活の現場に残された「見直すべき文化の証言」であり、未来をひらく手がかりでもあります。

見どころ

《岩戸神楽乃起顕図幟》(幕末/須藤晏斎)

天照大神の“岩戸隠れ”をテーマとした幕末の絵のぼり|いわき絵のぼり吉田蔵
天照大神の“岩戸隠れ”をテーマに描かれた幕末の一作。
民間信仰・家庭祭礼・町絵師文化の集約です。

本作は、民間信仰・家庭祭礼・町絵師文化の集約
浮世絵や神楽・歌舞伎とも共鳴する構図と演劇性を備え、芝居のワンシーンのように場面展開を描き出しています。

江戸期の絵のぼり|資料アーカイブ(非売品)

ここから先は、当時の節句を彩った肉筆絵のぼりの資料アーカイブ(非売品)です。
画像をタップすると個別ページへ移動し、来歴・図様・素材などの詳細をご覧いただけます。

※本資料は研究・記録を目的とした紹介であり、販売や譲渡の対象ではありません。


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須藤晏斎(幕末の町絵師)|岩戸神楽乃起顕図幟

須藤晏斎|岩戸神楽乃起顕図幟

江戸後期の祝祭芸能としての神話図像。名人・須藤晏斎の筆。

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歌川芳輝|鍾馗図幟

歌川芳輝|鍾馗図幟

江戸の浮世絵師・歌川国芳の弟子「芳輝」による手描きの絵のぼり。

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無銘|三国志図幟

無銘|三国志図幟

江戸後期に流行した三国志を描いた熟練絵師による絵のぼり。

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堤派絵師|大江山図座敷幟

堤派|大江山図座敷幟

三代目堤等琳という町絵師を中心とした「堤派」。江戸~明治の作。

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雪洲|髪結新三図幟

雪洲|髪結新三図幟

明治初期の歌舞伎芝居と、節句文化が交差する古作絵のぼり。

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四代目鳥居清忠|鍾馗図座敷幟

四代目鳥居清忠|鍾馗図座敷幟

歌舞伎座の看板絵を代々手がける鳥居派の七代目当主。明治~昭和頃。

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江戸期の絵のぼり収集記

無銘|神功皇后図幟

江戸時代に裕福な家で飾られた、贅を尽くした染色画。

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無銘|日本武尊図座敷幟

無銘|日本武尊図座敷幟

明治時代ならではの、日本神話題材の3本組室内用絵のぼり。

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無銘|秀吉図幟

無銘|秀吉図幟

千成瓢箪が示す武将像と、明治~大正期の分業が生んだ筆致のコントラスト。

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無銘|熊谷直実図幟

無銘|熊谷直実図幟

江戸時代の筒描きに残る、庶民の素朴な武者絵の躍動。

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無銘|鍾馗図幟

無銘|鍾馗図幟

明治〜大正の「いわき地方制作」にみる、祈りと近代化。

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無銘|鍾馗図幟(四半旗)セーマンドーマン刺繍

無銘|鍾馗図幟 セーマンドーマン

幅広の「四半旗」鍾馗と、魔除けの刺繍。明治、大正時代。

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歌川芳虎|木版画の五月節句幟

歌川芳虎|木版画の五月節句幟

浮世絵師による、江戸時代のペーパークラフト絵のぼり。

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無銘|三番叟図幟

無銘|三番叟図幟

三番叟を描いた江戸期の絵のぼり。メトロポリタン美術館の類似品と比較。

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宗興|桃太郎図幟

宗興|桃太郎図幟

花押のある、武家の気風ただよう大正時代の桃太郎図絵のぼり。

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無銘|日本武尊図幟(いわき)

無銘|日本武尊図幟(いわき)

明治大正期のいわき地方に息づく、神話意匠と節句の祈り。近藤辰治の作か?

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無銘|素朴な鍾馗図幟

無銘|素朴な鍾馗図幟

素朴だが見飽きない魅力がある、江戸期の神社で用いられた絵のぼり。

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無銘|寺子屋図まねき

無銘|寺子屋図まねき

絵のぼりの付属品として飾られた小旗「まねき」の吉祥図像。江戸~明治。

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狩野玉円(永信)|朱鍾馗図 座敷幟

狩野玉円(永信)|朱鍾馗図 座敷幟

御徒士町狩野家の表絵師・狩野玉円 永信が描いた室内用の絵のぼり。江戸後期。

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見方のガイド

・モチーフで探す:鍾馗=魔除けの神、武将=家の誇り、神話=再生や祈り。

・年代で見る:江戸/明治/大正以降。

収集している絵師のページを見る

関連リンク


おわりに

風を受けて翻ったときの線の力強さ、家々の思いが宿る色彩。
江戸期の絵のぼりは、祈りと美意識をまっすぐに伝える造形です。

私・辰昇
(しんしょう)は、これら先人の技を学び取りながら、現代の暮らしにふさわしい「旗印」として再定義しています。
かつて全国で親しまれた祭礼絵画を、現代に磨き上げ、未来へと還元していく——その営みこそが、私の制作の核です。

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初節句を彩る「いわき絵のぼり」紹介動画

これまでにお客様から寄せられた貴重なお写真とともに、初節句の勇壮な雰囲気をご紹介しています。

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いわきFC応援幕|鍾馗図原画の制作

いわきFCの巨大な応援幕の原画として、「端午の節句の魔除けの神」鍾馗様を描かせていただきました。

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書籍掲載のご報告|『ときめくニッポン職人図鑑』

全国31人の職人のひとりとして掲載いただきました。

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鎮守氷川神社|クシナダヒメ様奉納画

以前納めさせていただいた「スサノオ様」と一対となる、主祭神「クシナダヒメ様」を描かせていただきました。

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工房をご見学いただいた方の投稿より(@irodori_koinbr 様):

「絵幟の歴史を堪能出来る空間でした。鍾馗幟旗は生で見ると迫力がヤバかったです。生で見なきゃもったいないです!」

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