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手描き武者のぼり|いわき絵のぼり吉田 絵師・辰昇

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歌川芳輝(浮世絵師)|鍾馗図幟
——江戸期の絵のぼり収集と再発見

歌川国芳の弟子である歌川芳輝(浮世絵師)による絵のぼり

高名な浮世絵師・国芳の門人「歌川芳輝」

鍾馗図幟 歌川芳輝
  • 題名:鍾馗図幟 ※非売品
  • 時代:江戸後期~明治初期
  • 産地:関東
  • 作者:歌川芳輝
  • 素材:唐木綿
  • 技法:肉筆(手描き)
  • 寸法:約230×約95cm
  • 所蔵:いわき絵のぼり吉田

—— 本作は、歌川国芳の門人・歌川芳輝による肉筆の幟旗です。

江戸の町人文化と節句の祈りが重なり合う場面に、浮世絵師が関わっていたことを物語ります。


忘れられた幟旗に残る浮世絵師の筆

浮世絵師の肉筆幟絵

入手と確認の経緯

—— この幟は、たんなる「古びた旗」として骨董市場に出回っていました。

入手後に署名を確認すると「芳輝」の名があり、専門家の検証も経て江戸期浮世絵師による真作と認められました。

関心を持たれることの少なかった絵のぼりですが、ここには文化の地層として重要な価値が潜んでいます。


幅広の唐木綿に描かれた節句幟(絵のぼり)

江戸期の唐木綿

上質な素材が示す格式

—— 使用されているのは「唐木綿」(とうもめん/からもめん)と呼ばれる幅広の輸入木綿。
当時は高級素材として扱われ、名のある絵師が手掛ける幟旗に選ばれました。

広重の日記や他流派の作品にもその使用例が確認でき、節句幟が江戸文化に深く浸透していたことを示しています。


歌川芳輝と国芳一門の幟制作

歌川芳輝の印章

浮世絵師の筆法と特徴

—— 芳輝(1809–1880頃)は谷文晁の門を経て国芳の弟子となった人物です。

力強い筆線は、浮世絵師としての技法を幟旗に応用した痕跡です。

落款印に型紙を用いているなど、幟絵を複数手掛けた可能性を示唆する要素もあり、町場の祭礼文化と絵師の営みが重なります。


文化の地層としての幟

—— 師・国芳自身も肉筆の幟を残しており、一門全体がこの制作に関わっていました。

幟旗は単なる装飾ではなく、生活と祈りを映す「生きた美術」でした。
いま再発見されるそれらは、過去を学び未来へ還元する文化の証言といえます。

いわき絵のぼり吉田・絵師 辰昇(しんしょう)


他の江戸期の絵のぼりは、以下をタップしてご覧下さい



→Wikipedia歌川芳輝

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「絵幟の歴史を堪能出来る空間でした。鍾馗幟旗は生で見ると迫力がヤバかったです。生で見なきゃもったいないです!」

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