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手描き武者のぼり制作いわき絵のぼり吉田 三代目絵師辰昇

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▽古作の武者絵のぼり各種

02.鍾馗図幟(しょうきずのぼり) 歌川芳輝(よしてる) 浮世絵師 非売品

浮世絵師による絵のぼり

高名な浮世絵師・歌川国芳の弟子「芳輝」

鍾馗図幟 歌川芳輝
  • 題名:鍾馗図幟
  • 時代:江戸後期~明治初期
  • 産地:関東
  • 作者:歌川芳輝
  • 素材:唐木綿
  • 技法:肉筆(手描き)
  • 寸法:約230×約95cm
  • 所蔵:いわき絵のぼり吉田
本作「鍾馗図幟 歌川芳輝 作」は、高名な浮世絵師、歌川国芳の門人による作品です。

忘れられた古い幟旗の作者は、浮世絵師

浮世絵師の肉筆幟絵は、誰も気に留めなかった

鍾馗図幟 歌川芳輝 入手の経緯

まず、この作品の入手経緯について紹介します。
このように風雨で損傷した本品は、ネットオークションで「ボロボロの古い旗」として出品されていました。
その後、入手してから署名を読むと、幕末における歌川派の浮世絵師「歌川芳輝」の名前が記されていました。
最初は疑念を持ちましたが、複数の方からの意見が一致し、これが確かに江戸時代の浮世絵師による肉筆の絵のぼりであることが確認されました。
骨董市場では絵のぼりのコレクター自体が稀なため、この作品の価値が長らく見過ごされていたようです。

特別な(のぼり)に使用された幅広の唐木綿(からもめん)

江戸期の唐木綿

上質な布地「唐木綿」の使用

使用された布地は、当時大人気の歌川国芳の門人だけあって、「唐木綿」という上質な生地が用いられていました。
その唐木綿とは、江戸期の幅広い輸入生地の俗称で、著名な絵師による上等な絵のぼりに使用されています。
一例として、北村勝史氏所蔵の「二代目鳥居清元/鍾馗図幟(しょうきずのぼり)」があります。
また歌川広重の日記にも、唐木綿に絵のぼりを描いた記述があります。
このように江戸時代の浮世絵師は、五月節句の絵のぼりをわりと頻繁に制作していました。

歌川国芳の門人、歌川芳輝(よしてる)の肉筆画

型紙によって染められた歌川芳輝の印章

浮世絵師の筆法

歌川芳輝は文化5年(1809年)の生まれ。 最初は谷文晁の門人で、後に浮世絵師の歌川国芳の門下に入りました。
本作も浮世絵師独特の筆法を用いて描かれています。
また興味深いことに、布地に特化した型紙をわざわざ制作して落款を入れています。
この点から、類似の絵のぼり作品を複数手掛けた可能性を感じます。
浮世絵師は国芳の門人だけで70人以上存在し、彼らは様々な仕事を請け負っていたようです。

国芳一門と絵のぼり制作

また、芳輝の師である国芳も染物屋の出身で、肉筆の絵のぼりを制作していました。
歌川国芳/金時山姥五月幟」という作品が戦前の美術書に掲載されており、国芳と一門は絵のぼり制作と近い関係にありました。

いわき絵のぼり吉田 絵師辰昇(しんしょう)

→Wikipedia歌川芳輝のページを見る

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鍾馗図幟 歌川芳輝

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この記事の執筆者:いわき絵のぼり吉田の絵師辰昇(しんしょう)

手描き武者のぼり「いわき絵のぼり吉田」。福島県指定伝統的工芸品。
絵師辰昇(しんしょう)による肉筆(手描き)絵のぼりの世界をご覧下さい。

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