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手描き武者のぼり制作いわき絵のぼり吉田 三代目絵師辰昇

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▽古作の武者絵のぼり各種

07.セーマンドーマンの鍾馗図幟(しょうきずのぼり) -明治大正期 非売品

鍾馗図幟アップ

魔除けのまじないが刺繍された鍾馗図絵のぼり

鍾馗図幟 無銘 明治後期~昭和初期
  • 題名:鍾馗図幟
  • 時代:明治~大正
  • 産地:東日本
  • 作者:無銘
  • 素材:木綿(?)
  • 技法:肉筆(手描き)
  • 寸法:約330×約190cm
  • 所蔵:いわき絵のぼり吉田

五月節句絵のぼりと多様な形状

古くからの風格がある「四半旗」

通常の五月節句絵のぼりは、天を貫くように細長い形状をしています。
逆に、本作のように幅広い形式の絵のぼりは「四半旗」と呼ばれています。
こういった形は、戦国時代に武家が合戦で使用した旗指物にルーツをみます。
したがって、この巨大な作品もいにしえからの雰囲気があり、まるで江戸時代の制作であるかのように見えます。
しかし、縫製にミシンが使用されていることから、実際には明治後期から大正期のものであることが分かります。

鍾馗幟の生産地は?

古くからの風習が息づいた土地

この絵のぼりには落款がなく、生産地も不詳です。
したがって、この作品の制作者や生産地域については分かっていません。
一般的に、鍾馗幟は四国や九州地方では少なく、関東周辺で多く見られました。
また、この絵のぼりには魔除けのまじないである「セーマンドーマン」が刺繍されています。
東日本の、古くからの風習を大切にしていた土地で飾られた可能性が高いでしょう。

セーマンドーマン:魔除けの刺繍

江戸期絵のぼりの紐飾り(願掛けの刺繍)1
江戸期絵のぼりの紐飾り(願掛けの刺繍)2

セーマンドーマンとは?

この絵のぼりの特徴として、「セーマンドーマン」が挙げられます。
これは一種の魔除けのまじないで、男児の健やかな成長を祈ったものです。
本作では、竿を通す輪(乳)に刺繍が施されています。
江戸時代の絵のぼりに多く見られる要素であり、明治から大正時代にかけても、昔ながらの風習が息づいていたことが伺えます。

祈りの刺繍文化

さらに、戦国時代の武士の旗指物や、子供の着物にも、同じようにセーマンドーマンの刺繍文化が広まっていました。
この独自の「祈りの刺繍文化」は、かつての日本人のなかで重要な役割を果たしてきたことがわかります。

いわき絵のぼり吉田 絵師辰昇(しんしょう)

→Wikipediaセーマンドーマンのページを見る

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鍾馗図幟 明治後期~昭和初期

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この記事の執筆者:いわき絵のぼり吉田の絵師辰昇(しんしょう)

手描き武者のぼり「いわき絵のぼり吉田」。福島県指定伝統的工芸品。
絵師辰昇(しんしょう)による肉筆(手描き)絵のぼりの世界をご覧下さい。

いわき絵のぼり絵師辰昇プロフィール(代表作/鍾馗幟)
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