扁額「子守神功皇后之図」辰昇作(2013年奉納)
・扁額「子守神功皇后之図」辰昇作 2013年
東京のへそ・大宮八幡宮 御鎮座950年記念
武蔵国八幡一宮 大宮八幡宮の鳥居
・大宮八幡宮拝殿(2013年)
絵のぼり奉納(2010年)
・八幡太郎義家図幟 / 神功皇后図幟 2010年
奉納の概要
—— 杉並区に鎮座する「子育て八幡さま」大宮八幡宮様へ、2010年に絵のぼりを奉納しました。
その後、御鎮座950年を迎えた2013年には、記念の扁額「子守神功皇后之図」を奉納。
私自身の経験と祈りを重ねた、節目の制作となりました。
・子守神功皇后之図 大宮八幡宮奉納式(2013年)
「子育て八幡様」と作品テーマ
——
「子育て八幡様」として親しまれる御神徳に倣い、子を守り、祝福することを主題に据えました。
東日本大震災を経て胸に芽生えた祈りと希望を、神功皇后と応神天皇の図像に託しています。
・子を守る「子育て八幡さま」にふさわしい図像として
・拝殿に掲げられた「子守神功皇后之図」
「子守神功皇后之図」奉納の意義
—— 御鎮座950年という節目にあたり、「子育て八幡様」の精神を、現代の言葉と造形で可視化することを目指しました。
記念作品としてだけでなく、今を生きる家族への祈りを形にしています。
・「子育て八幡様」を現代の視点で表現
現代的な再解釈
—— 神功皇后が幼子を抱く姿を、「親が子を守る」という普遍的な像として再構成。
やさしさと力強さが共存する姿を意識しました。
・神功皇后の柔和な表情
・武内宿禰──暗雲を振り払うお姿として鋭角に
技術的側面(祭礼絵画)
—— 本作を創出するにあたって、仏画や西洋宗教画、聖母子像を参照しながら、絵巻物の一場面のような場面性を持たせました。
母子の関係に、当時の心象を重ねています。
・絵巻物を意識した、暗雲を払いのける描写
震災後の社会情勢を反映
——
色彩と筆法には、伝統への敬意と現代的な解釈のバランスを意識しました。
神功皇后は、幼子を包み込む包容力を表すため、丸くおおらかな造形に。
袖の曲線には、母の祈りと護りの力を込めています。
武内宿禰は、暗雲を払う鋭さを表現。
幼い応神天皇に向けた満面の笑みには、能面の表情を参照しました。
・包容力を表現するため、丸くおおらかに
・武内宿禰の笑み(能面より引用)
制作の背景と感謝
—— 本作は、私の活動において重要な位置を占める作品です。
推薦を賜った切画師・風祭竜二先生、額装をご担当いただいた(株)クラフト夢現様に、心より感謝申し上げます。
文化の還元
—— 伝統図像を現代の視点で再解釈し、この時代にふさわしい形へと昇華させる—— 本奉納は、その実践の象徴です。
祈りと物語を、造形を通じて次世代へとつないでいきます。