
——「十牛図(じゅうぎゅうず)」とは、
禅における悟りの道筋を十の段階に分け、
絵と詩で表した古典的な教えです。
その第六段階にあたるのが
「騎牛帰家図(きぎゅうきかず)」──
牛に乗り、家へと帰る童子の姿を描いた場面です。
この構図は、節句の絵のぼりとしては例が少なく、
現代では特に珍しい主題といえるでしょう。
—— 十牛図において、童子は迷いや不安を抱える「現在の自己」、
牛は本質に目覚めた「悟りの自己」を象徴しています。
牛を探し、見つけ、乗りこなす過程を経て、
この「騎牛帰家」の段階では、もはや制御する必要はありません。
童子は笛を吹きながら、
自然体のまま帰路につきます。
それは、執着から離れ、
自分自身を自在に生きる境地。
「自由な心」と「豊かな人生」を象徴する姿です。
—— 江戸時代後期には、
この構図を取り入れた絵のぼりも制作されました。
そこには、子どもが人生をのびやかに歩み、
心の豊かさを得られるようにという願いが込められています。
絵のぼりが単なる装飾ではなく、
家庭の祈りや教育の役割を担っていたことがうかがえます。
—— 禅画「十牛図」は、
現代を生きる私たちにとっても、
人生を見つめ直すヒントを与えてくれます。
とくに「騎牛帰家」は、
子どもの健やかな成長にとどまらず、
その先にある
「心の自由」や「成熟した生き方」への願いを
静かに託す図柄といえるでしょう。
—— 絵のぼりの制作やご相談については、
下記よりご案内しております。
まだ具体的にお決まりでない方も、
どうぞお気軽にお問い合わせください。
文・辰昇|絵のぼり絵師
福島県いわき市
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松重豊さん出演「福島豊」Youtubeシリーズにて、
絵のぼり工房として紹介されています。
工房訪問回および絵のぼりのお披露目回です。
人の集まるハレの場を象徴する、ユーモラスな「旗印」として。
松重豊さんが工房へ(第7話)
絵のぼりお披露目(第8話)