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手描き武者のぼり制作いわき絵のぼり吉田 三代目絵師辰昇

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いわき絵のぼり制作手順

福島県指定伝統的工芸品いわき絵のぼりは、完全手描きの武者のぼりです。それゆえ実際の制作工程は複雑です。ここでは大まかな流れをご紹介します。

1.生地の下処理

武者絵のぼりの木綿生地下処理

絵を描く前に、木綿生地の下処理。
洗濯や糊付けをして自然乾燥。
ここから完成まで一週間以上。

2.呉汁(ごじる)で顔料を溶く

顔料と呉汁

絵具の顔料は粉末状で、それ自体に接着力はありません。
呉汁(大豆の汁)で溶くことで木綿へ接着します。

3.下描き

いわき絵のぼり 下描き

下絵の上に木綿を敷き、すこし透けて見える形をたよりに薄墨等で下描き。

*新しい図柄の場合は下絵をつくります。
小下絵を何枚も描き図柄を決定してから、等倍の下絵制作。

4.張木(はりぎ)伸子(しんし)で宙吊りに

張木と伸子

これ以降は絵のぼりを宙吊りにして作業。
必要な道具は張木と伸子。
張木:宙吊り用に、生地の両端に取り付ける角材。
伸子:生地をピンとさせる細長い器具。絵が描きやすくする。

5.下染め

いわき絵のぼり 下塗り

表裏両面にざっくり下染め。
使う色数だけ刷り込み刷毛を用意。
複数の色を一本の刷毛で使いまわすのはNG。
色が濁る。

6.上染め

いわき絵のぼり 上塗り

下染め直後に上染めする箇所、あるいは下染めの乾燥を待ってから上染めする箇所、絵の表現によりさまざまです。
朱色の上に濃い紅色でぼかしたり、黄土に薄い朱で陰影を入れる等。

7.輪郭線

いわき絵のぼり 輪郭線

顔など輪郭線の仕上げ。
肌の部分は細い線、衣服は強弱をつけた大胆な線。
線描によって絵の勢いが決定します。

8.模様

いわき絵のぼり 模様

衣服の模様や鎧の描きこみ。
そのあと全体のバランスを見て最終調整。
色落ち処理として、全体に呉汁を塗布し乾燥。

9.家紋入れ

いわき絵のぼり 家紋入れ

失敗の許されない箇所なので、手際よく、しかし慎重に描き入れます。

10.縫製

いわき絵のぼり 縫製

縫製作業をして、絵のぼりが完成。

絵のぼりの道具紹介

刷毛、筆

いわき絵のぼり 刷毛、筆

刷り込み刷毛、ボタン刷毛、漆刷毛、連筆、面相筆など。
描写する部位や色によって使い分ける。

顔料

いわき絵のぼり 顔料

水干(すいひ)絵具、泥絵具、岩絵具など、日本画と同じ絵具。
呉汁(ごじる)で溶いて使用。

下絵

いわき絵のぼり 近藤辰治の遺した下絵

初代、先代の遺したものから当代作まで。

張木(はりぎ)

張木

生地の両端に取り付け、絵のぼりの宙吊り作業で使用。
代々自作している。

伸子(しんし)

伸子

宙吊りで描き易くするため、生地をピンと張る器具。
両端先端に針が付いている。
かつては竹製、現在はグラスファイバー製がある。

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この記事の執筆者:いわき絵のぼり吉田の絵師辰昇(しんしょう)

手描き武者のぼり「いわき絵のぼり吉田」。福島県指定伝統的工芸品。
絵師辰昇(しんしょう)による肉筆(手描き)絵のぼりの世界をご覧下さい。

いわき絵のぼり絵師辰昇プロフィール(代表作/鍾馗幟)
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